昭和48年に神奈川県総合リハビリテーションセンターに就職し、福祉機器の開発研究に従事。平成3年から5年間、神奈川県から委託された「高齢者・障害者へのヒューマンテクノロジー応用研究」では「リフト付き路線バスの開発」「助手席回転座席の開発」などを契機に、障害者・高齢者の交通手段の研究に従事し、海外の事例について調査を実施してきた。
藤井直人
神奈川県総合リハビリテーションセンター
研究部 リハビリテーション工学研究室

社会復帰に関する運転免許

日本パラプレジア医学会によれば、脊髄損傷者の発生率は100万人当たり40人で、毎年5,000人が受傷し、その総数は10万人と見積もられています。受傷後、リハビリテーション訓練により、車いす乗車、移乗動作、排泄など社会復帰のための生活能力を身につけていきます。

障害者・高齢者が円滑に移動できるために「交通バリアフリー法」が2000年に施行され、2006年に見直されて「バリアフリー新法」と、より使いやすい公共交通とまちづくりが進行しています。それでも、車いすでの社会復帰には物理的な障害が大きく、自動車免許を取得する・更新して社会復帰することは、その後の活動範囲を大きくしているのが現状です。

平成18年に(社)全国脊髄損傷者連合会が実施した「運転免許に関するアンケート調査報告」によると、受傷後に運転免許を取得した人の取得方法を聞いた結果、68名中32名が一般教習所(技能試験有)で取得。そして、44名が運転装置の改造は必要であると回答しました。

脊髄の損傷により、下肢又は上肢も麻痺した障害者が、運転装置改造の助言を専門家から指導を受けて無理のない運転を可能とし、さらに教習所ではその装置が適合しているかを見ながら指導する体制が必要です。

現在、免許証を所持していない人(22名)で免許証を取得したい希望がある人たち(7名)は、近隣に教習所があれば取得したいと、全員が回答していることに注目すべきしょう。

2006年12月1日掲載