(社)全脊連からのメッセージ

(社)全国脊髄損傷者連合会は、頚椎・脊髄に障害のある会員が4,000人以上の社団法人。「障害のある人のための運転免許」に対して、同団体は障害部位や先天性・中途障害に限らず、すべての障害のある人のための活動として取り組んでいます。同団体の妻屋理事長より、「障害のある人のための運転免許」に対するメッセージをいただきました。

地域で普通に暮らせる社会

身体的に「障害のある人」が「障害のない人」と同じように、全国何処に住んでいてもそれぞれの地域で運転免許取得ができるように、活動を進めている。指定教習所は費用対効果など経営上の問題もあり、全国の指定自動車教習学校のバリアフリー化が遅れているのが現状だ。

障害者も含め様々な人が利用する公共施設として、全国の指定教習所が全面バリアフリー化を促進すること、また、車いす使用者等が運転できる手動装置等を装着した車両を全ての指定教習所に配備すること等、「障害のある人」にとって優しい運転免許取得環境づくりを行ってほしいと願っている。障害が重いからと言って、免許取得を諦めたり、また、遠く離れた自動車教習施設に入所しなければならない理由は何処にもないと言うのが私たちの主張だ。

自動車免許を取得して、実際に自ら自動車を運転している障害者は、現在約27万人程度いるといわれているが、障害が軽い人から重い人まで、その殆どの人たちが自動車は生活していくうえで絶対的に無くてはならないものになっているに違いない。

障害者にとって最も重要な移動の手段として就職やスポーツ、旅行から幅広い活動まで、自動車運転免許は障害者の社会生活を支える極めて大きな力になっていることを、私たちはこれまでの長い経験の中から学んできた。

咋年の12月には、交通バリアフリー法とハートビル法が統合したバリアフリー新法が施行された。公共交通機関関係や建築物、駐車場、公園、道路空間に至るまで、これまで以上のバリアフリー化をすすめるための法律だ。

しかし、だからと言って今すぐにでも全面的なバリアフリー化された社会になり、障害者の移動は全て公共交通機関で大丈夫というわけではない。やはり、自動車でなければ私たち障害者の生活は成り立たないということに変りはない。

また、昨年の暮れに国連で障害者の権利条約が採択されことは私たち障害者にとって大きな朗報となった。これは、「障害のない人との実質的な平等を確保する」と言う新しい概念が盛り込まれているのがその特徴で、差別を禁止することや、実質的な平等を保つために、必要な変更や調整を意味する合理的配慮の否定も差別とされるというもので、今後日本が条約を批准することにあたり国内の法制度にどのような整合性を持たせるのか注目していく必要はあるものの、しかし、障害があっても、障害のない人と同じように全国どこでも運転免許を取得できるように指定教習所のバリアフリー化をすすめていくことなどは、それ以前の問題でなければならない。

(社)全国脊髄損傷者連合会 理事長 妻屋 明
2007年1月29日掲載